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太陽光発電所の売却と購入(セカンダリー取引)
の実務、契約書、法的注意点


日時: 平成27年11月4日(水)午後1時00分~午後4時00分
会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム
(東京都中央区日本橋茅場町1-10-8)
受講費: 35,000円(お二人目から30,000円)
(消費税、参考資料を含む)

講師 江口直明(えぐちなおあき)氏
ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)
金融グループ代表 弁護士

 固定価格買取制度も4年目に入り、売電を開始した太陽光発電所が増えてきた。資源エネルギー庁の発表によると2015年5月現在で16.8 GW超の太陽光発電所が運転を開始している。1MWあたりの建設費用を3億円と仮定すると、3億円×16,800 MW =5.04兆円分の運転を開始した太陽光発電所が存在することになる。従来は開発途上の太陽光発電所の3点セット((1)設備認定、(2)電力会社への接続申込の地位、(3)土地利用権)をMWあたり数千万円で取引するいわゆる「権利売買」取引が行われていたが、それに加えて完成した太陽光発電所を売買するセカンダリー取引が活発になってきている。海外ファンド(ニューヨーク証券取引所に上場するYield Co)も日本に上陸し、太陽光発電所を買い始めている。また、東京証券取引所の太陽光発電所等の再生可能エネルギー向けインフラリート投資法人も今後有力な買い手となりうる。さらに完成した太陽光発電所に投資するファンドも日本で立ち上げる動きがあり、買主の顔ぶれが出そろいつつある。片や2015年3月31日で終了した太陽光発電設備の即時償却メリットを享受した税効果目的投資家は、継続保有するインセンティブはなく、今後維持管理費がかかる太陽光発電所を売却に動くかもしれない。また、海外投資家は完成後は売却することを前提に開発を進めている。これらの海外投資家の太陽光発電所の資金調達のためのファイナンスが今佳境を迎えているので、海外投資家が完成した太陽光発電所を売りに出すケースも間もなくやってこよう。まさに機は熟しつつあると言える。さらに電力小売自由化を勝ち抜くためにPPSによる電源獲得競争が始まっている。他方、自然災害の脅威は高まり、設計・建設に瑕疵のある太陽光発電所を購入してしまった場合には思わぬ損害賠償請求を受けるリスクも高まってきた。技術的なデューディリジェンス及び購入後に売主に責任を追及できる売買契約書が重要になる。
 本セミナーでは完成した太陽光発電所の売買・M&Aについて注意すべき法的問題点と使用する契約書について解説する。



1.全量買取法をめぐる最近の動き
(a)新エネルギー小委員会の動き
(b)買取制度運用ワーキンググループの動き 回避可能費用の
考え方
(c)系統ワーキンググループの動き 出力抑制の考え方
(d)新たに設置された再エネ導入促進関連制度改革小委員会の
動き 設備認定時期が売電契約時に?

2.制度変更と対応方法
(a)出力増加及び基本仕様(メーカー、種類、変換効率)変更
による買取価格の変更
(b)買取価格決定時が接続契約時に後ろ倒し
(c)出力抑制の時間単位制化と太陽光発電に関する指定
電力会社指定(東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄)
(d)滞留案件の連系承諾取得者の地位の失効 
(e)送変電設備増強時における入札募集方式

3.完成した太陽光発電事業のセカンダリー取引のリスクと
デューディリジエンス

(a)3点セットの売却
(b)運転開始済発電所の売却
(c)許認可の移転可能性
(d)土地のデューディリジエンス
(e)造成土地の崩壊リスク
(f)賃貸借契約、地上権設定契約、地役権
(g)パネルメーカーの倒産保険

4.セカンダリー取引の売買契約上の留意点
(a)株式譲渡と資産譲渡
(b)株式譲渡契約
(c)資産譲渡契約
(d)売買対価の支払い方法
(e)売買実行までの売主の義務
(f)売買実行前提条件
(g)契約相手方のクレジットリスク 
(h)売買代金のエスクロー
(i)設計ミス、建設ミス
(j)建設契約上の瑕疵担保責任
(k)O&M契約の発電効率保証
(l)パネル供給契約と性能保証
(m)情報開示と表明保証

5.トラブル事例の検証
(a)契約責任
(b)不法行為責任
(c)保険カバー
(d)過去の判例



本セミナーについては、
法律事務所ご所属の方は、お申込ご遠慮願います。



【講師紹介】
ベーカー&マッケンジー法律事務所の銀行・金融部門のリーダー、
取扱太陽光案件:丸紅大分6号地82MW、ソフトバンク/三井物産米子43MW、同苫東111MW、レノバ富津40MW、住友商事愛媛西条23MW等のメガソーラ太陽光発電所50ヶ所超(累計1000MW超)の大規模案件、複数の2MW以下案件のバンドリング、TK-GKスキーム、屋根貸し案件、
取扱風力案件:北海道幌延、北海道さらきとまない、北九州響灘、青森県六ヶ所村、愛媛県三崎町、秋田県八竜、石川県輪島(累計150MW超)、
その他取扱環境エネルギープロジェクトファイナンス及びPFI案件:バイオエタノール・ジャパン関西(株)、吾妻木質バイオマス発電(13MW)、秋田県向浜木質バイオマス発電(20MW)、黒部市下水道バイオマスエネルギー利活用施設整備運営PFI、福岡クリーンエナジー廃棄物処理及び発電、福山RDF発電、東京臨海リサイクル発電、横浜市消化ガス発電PFI、埼玉県彩の国廃棄物、堺市資源循環型廃棄物処理施設PFI、その他廃棄物DBO案件多数、自家所有水力発電所や火力発電所の会社分割によるファンドへの売却と売電契約。横須賀パワーIPP(239MW)、東亜IPP(274MW)、ユニバーサルスタジオ・ジャパン向け(1250億円)等のプロジェクトファイナンス。
1986年 一橋大学法学部卒業、
1988年 東京弁護士会登録、
1992年 ロンドン大学(UCL)法学修士(国際ビジネス法)取得、
1993年 ベーカー&マッケンジーロンドン事務所勤務、
内閣府PFI推進委員会専門委員(2010年~)、
国土交通省空港運営のあり方に関する検討会委員(2011年)。

【主な論文】
「被災地における太陽光発電PPPプロジェクト」
(銀行法務21、2012年7月号)、
「日本におけるプロジェクト・ファイナンスの立法課題」
(ジュリスト1238号)、
「アジアにおけるプロジェクトファイナンス」
(OKAJI)
他多数。


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