グローバル・レピュテーションリスクに対処するための
人権DDと苦情処理メカニズム整備の実践手法

〜英国現代奴隷法、東京五輪調達コード、
国連ビジネスと人権指導原則への対応を中心に〜


日時: 平成30年1月29日(月)午後2時00分〜午後5時00分
会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム
(東京都中央区日本橋茅場町1-10-8)
受講費: 34,400円(お二人目から29,000円)
(消費税、参考資料を含む)

講師 高橋大祐(たかはしだいすけ) 氏
真和総合法律事務所 パートナー 弁護士

 2015年3月、英国で、企業にサプライチェーンにおける強制労働・人身取引への対処に関する開示を義務付ける英国現代奴隷法が採択された。同法は広く域外適用がなされ、現在、多くの日本企業も対応を進めている。2017年3月には、日本でも、環境・人権・労働など持続可能性に関する基準の遵守をサプライチェーンに働きかけることを要求する東京五輪調達コードが発表された。
 このようなサプライチェーン管理のルール化の背景には、2011年に「ビジネスと人権」に関する国連指導原則が採択され、企業に対し、「人権デューディリジェンス」(「人権DD」)が要求されたことにある。また、人権DDにあたっては、企業を取り巻くステークホルダーからの苦情を適切に処理するためのメカニズムを整備することも要請されている。なお、日本政府も2016年11月に指導原則を実施するための国別行動計画策定の予定を公表した。
 そこで、本セミナーでは、指導原則、英国現代奴隷法、東京五輪調達コードなどビジネスと人権に関する法規制の最新動向と実務影響を具体的に解説する。その上で、指導原則に基づき求められる人権DDや苦情処理メカニズム整備の実践方法についても、これを補完するCSR条項の解説と共に、具体的に議論する。



第1 ビジネスと人権国連指導原則の概要と関連規制の最新動向
1 サプライチェーン管理のルール化の契機としての指導原則の採択
2 指導原則の要点解説
3 求められる人権 DDとサプライチェーン管理の具体的内容
4 人権DDを補完するCSR 条項
5 関連規制の最新動向(フランス人権DD法、米国連邦調達規則、米国貿易促進化・貿易執行法、 EU非財務情報開示指令等)
6 国別行動計画の最新動向

第2 英国現代奴隷法の域外適用と対応策
1 法令・ガイダンスの要点解説
2 日本企業への域外適用の範囲と法的根拠
3 求められる DD と開示の具体的内容
4 企業の開示・対応状況の最新動向

第3 東京五輪持続可能性に配慮した調達コードへの対応策
1 適用範囲
2 持続可能性に関する基準のポイント
3 コード遵守のために求められるDDと開示の内容
4 サプライチェーンへの働きかけの方法

第4 人権 DD の実践方法:ケーススタディを通じて

第5 苦情処理メカニズム整備の実践手法

1 指導原則が求める苦情処理メカニズムの要素
2 内部通報・クレーム処理制度との異同
3 企業・団体における先行事例と課題
4 日本企業における留意点



【講師紹介】
弁護士(日本)/法学修士(米・仏・独・伊) 。企業・金融機関に対し、グローバルコンプライアンス・ESG・危機管理に関する案件に対応するほか、社内規程整備・社内研修などの内部統制システム整備の支援も担当。日弁連の弁護士業務改革委員会CSRと内部統制プロジェクトチーム副座長として、日弁連人権DDガイダンスやCSR条項モデル条項の策定にも関わる。 国際法曹協会CSR委員会オフィサー、早稲田大学日米研究所招聘研究員、JETROアジア経済研究所ビジネスと人権研究会委員、上智大学法学部非常勤講師なども務める。
【関連論文】
「企業のサステナビリティを高めるための苦情処理メカニズムの強化」(会社法務A2Z 2017年11月号)、「ESG関連リスクの管理・開示のあり方−CGコード第2章への対応を視野に−」(旬刊商事法務No.2146・2147)、「ビジネスと人権をめぐる各国法規制の動向と国別行動計画の役割」(アジ研ワールド・トレンド2017年9月号)、「人権デュー・ディリジェンスの実践手法」(ビジネス法務2017年8月号)、「サプライチェーン・インベストメントチェーンにおけるCSR条項の活用」(自由と正義 2015年12月号)、「グローバル時代のCSR法務戦略」(証券アナリストジャーナル 2014年8月号)、「サプライチェーンにおけるCSR法務戦略」(NBL1001・1002・1003 号、共著)ほか多数。


※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。
主催 経営調査研究会
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