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ファンドはなぜ日本の親子上場会社を狙うのか?

〜コーポレート・ガバナンス原理に反する仕組みの脆弱性〜


日時: 平成30年5月25日(金)午後2時00分〜午後5時00分
会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム
(東京都中央区日本橋茅場町1-10-8)
受講費: 34,700円(お二人目から29,000円)
(消費税、参考資料を含む)

講師 スティーブン・ギブンズ
外国法事務弁護士 米ニューヨーク州弁護士
上智大学 法学部教授

 終身雇用制度・株式持ち合い・政策保有に基づく安定株主制度と並んで、日本独自の「親子上場会社」は「日本型資本主義」を支える3本目の大黒柱である。過去10年の間、親子上場会社数は400社余りから現在の270社に縮小しているとはいえ、未だに上場会社全体のおよそ1割が親子上場会社である。対照的に、日本以外では親子上場会社が利益相反を必然的に招く、コーポレート・ガバナンスの原則に明らかに反するものであるという意識が強いゆえ、親子上場は極めてレアな現象となっている。
 「もの言う株主」が初めて日本列島に上陸した15年前から、親子上場会社はよくターゲットとされるカテゴリーの1つになった。この類の会社のPBR(株価純資産倍率)が1を切るケースが数多い上に、日本国内のコーポレート・ガバナンス改革が進むなか、ターゲットを叩くための武器が増えてきて、「もの言う株主」にとって攻めやすい構図になってきたのだ。完全子会社化の可能性を利益獲得のチャンスと見込んで、将来の完全子会社化に備え計画的に株を取得したファンド系のプロ投資家が大勢いる。企業側は、いかにファンドと喧嘩をせずに安く株を買い取ることができるかに頭を悩ませ、かたやファンド側は、楽しみにしている収穫の日がいつ来るのか、また、企業側から満足の行く価格が出されるのかをやきもきしながら待っている。
 近年、日本以外でも親子上場会社の仕組みの危険性を十分認識せずに、日本企業が思わぬうちにファンドにとって攻めやすい格好のターゲットを作ってしまった事例も目立つ。
 当セミナーでは、企業およびファンド両サイドの視点から親子上場会社の完全子会社化を巡る戦略、今後の展開を分析・予測することを企画している。直近の事例を中心に、ファンド対親子上場会社合戦の国内外における具体例を分析する。
 


1.ファンドはなぜ上場子会社に魅力を感じるのか?
・親子上場会社はなぜ日本に多いのか?
・「Value」系外資ファンドの親子上場会社に対する偏向的な投資傾向
・エフィッシモの親子上場会社ポートフォリオの分析
 
2.企業とファンドのチキン・ゲーム作戦
・Squeeze-out価格の駆け引き
・パナソニック−パナホームの事例
・コーポレート・ガバナンス改革の影響

3.2018年現在もなお、親子上場会社を新設する企業は・・・
・富士フイルム・米ゼロックスの事例
・ソフトバンク・グループの事例



【講師紹介】
東京育ち。京都大学法学部大学院留学後、ハーバード・ロースクール修了。Debevoise & Plimpton, New Yorkに勤務後、1987年以降は東京を拠点とし、国際企業法務を主な業務分野としてGibson, Dunn & Crutcher、西村総合法律事務所(現:西村あさひ法律事務所)にて勤務。2001年よりギブンズ外国法事務弁護士事務所所属。
主要著書:
“The Vagaries of Vagueness: An Essay on “Cultural” vs. “Institutional” Approaches to Japanese Law”, 22 Michigan State International Law Review 839 (2013) 、“Looking Through the Wrong End of the Telescope: The Japanese Judicial Response to Steel Partners, Murakami and Horie”, in Washington University Law Review, Vol.88, No.6 (2011) 、“Corporate Governance and M&A”, chapter in Japanese Business Law, G. D. McAlinn, ed. (Wolters Kluwer 2007)、
「Grokster米連邦最高裁判決とWinny開発者事件をめぐる「意図」の関係」 国際商事法務 Vol. 33, No.8 (8/2005)、「UFJ-MTFGの「取引防衛対策」はどの「取引」を「誰」のために「保護」しているのか?」 国際商事法務 Vol. 33, No.2 (2/2005)、 「デラウエア州最高裁であったら、今回UFJホールディング側がとった合併統合防止策に対して、どのような司法判断を下したであろうか?」 国際商事法務 Vol. 32, No.10 (11/2004)。


※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。
主催 経営調査研究会
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