平成29年度及び平成30年度税制改正によって、外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制)は大きく様変わりしました。しかし、その内実としてどの程度の実務に影響のあるものであるかはなかなか分かりにくいものとなっています。また、この改正によっても、当該税制に対する経済界からの要望が反映されたと言えるかというと相当に疑問が残ります。本セミナーでは、新税制がこの4月から実質的に適用開始となるにあたって、最新動向と実務上の留意点を中心に解説するとともに、経済界として残された課題がどこにあるのかに焦点を当てて説明を行います。
また、トランプ税制と呼ばれる今回の米国税制の大改正も、一部我が国の外国子会社合算税制の適用に影響を与えるものと考えられます。本セミナーではそうしたトランプ税制の影響や昨年秋のデンソー事件判決にも目配りをすることでより具体的な検討を致します。
1.新外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制)の概要
(1)改正の背景
(2)新制度の概要
(3)機能的な変更点
2.新税制に関する実務的留意点
(1)実務的留意点(総括)
(2)経済界の要望についての論点
(Post Merger Integrationに関する影響を中心に)
(3)トランプ税制及びデンソー事件判決の射程
【講師紹介】
略歴:1992年東京大学法学部第一類卒業、1995年弁護士登録、2001年ハーバード大学ロースクール卒業(LL.M.)、2002年ニューヨーク州弁護士登録、2001年〜2002年ニューヨークのサリヴァン・アンド・クロムウェル法律事務所に勤務、2010年〜2013年東京大学大学院法学政治学研究科客員准教授、2013年経済産業省「タックスヘイブン対策税制及び無形資産に関する研究会」委員、2014年から慶應義塾大学法科大学院非常勤講師。
主な著書・論文:
「これからの租税実務」(共著、ジュリスト1500号、2016)、「株式発行価額の検証」(共著、論究ジュリスト第10号、2014)、『Comparative Income Taxation』(共著、KULVBR LAW INTERNATIONAL、2010)、「居住地国課税と源泉地国課税 - 日本ガイダント事件を考える」(単著、フィナンシャル・レビュー94号、2009)など多数。
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