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マイカルCMBS問題に学ぶ 検証と総括:
マイカルCMBSが提起した問題と今後の証券化実務への影響

講師  鳥取環境大学 助教授   田中幸弘

いわゆる「マイカルCMBS問題」は、賃料債権を共益債権と考えるかどうかの問題から倒産法の研究者、弁護士を巻き込んだいわば「意見書合戦」に発展し、最終的に関係当事者が歩み寄る形で一応の決着をみました。その決着は当事者にとっては多分に意外性を含んでいたといえます。その間、「証券化」関係者の間で本件の与える影響についてさまざまな立場、観点からの検討や議論が生まれ、ある意味では実務に大きな混乱を与えたと同時に、またある意味では「先例」としての重要な意味合いも生まれつつあるという状態にあります。
その意味では、証券化及び事業再生の現場に係わる当事者にとっては、本件はいわば「第二の日本リース案件」的な重要な意義を持ちます。日本リースの資産流動化案件においても関係当事者の努力と英知により、先例のなかった領域で実務ベースでの参考とされるべき「先例」が形成された点を忘れてはならないでしょう。この領域に係わる当事者は本件からプラスもマイナスも含めて、多くのものを学ぶべきです。
本セミナーでは、マイカルCMBSが我々に提起した争点と問題点について、案件の関係書類のうちオープンにされているものを前提として、京都大学の山本教授意見書から新堂幸司東大名誉教授反論書を経て山本和彦一橋大学教授論文、そして東京大学の伊藤眞教授論文にいたる倒産法の専門家による議論の流れを今一度たどると共に、最終的な「落としどころ」の枠組みが示すものと今後の証券化実務並びに事業再生実務に与える可能性のある影響について考えていく予定です。折りしも改正会社更生法がこの4月にも施行され倒産法の枠組みの変化はまだまだこれから進みつづけます。この機会に本件の現状での「総括」に参加されてはいかがでしょうか。

1. はじめに・・・
マイカルCMBS問題とはなんだったのか
2. 意見書「合戦」の開始と展開

(1) 山本意見書の基本構造
@ 更生担保権化の3つの要件
A セール&リース・バック取引の評価
B マイカルCMBSの法的評価
C 結論
(2) 新堂・森綜合反論書の基本構造
@ 山本意見書への批判
A 基本的取引構造への評価
B 更生担保権化の3つの要件についての評価
C 山本意見書の要件の当てはめへの批判
D 結論
(3) 小野傑弁護士のコメントの趣旨
(4) 三國氏コメントの趣旨
(5) 山本和彦教授論文の基本構造
(6) 管財人団論文の基本構造
(7) 伊藤教授論文の基本構造
3. 「和解」?と今後の実務上の位置付けと争点
(1) セール&リース・バック型取引の考え方
(2) 「信託+賃貸借」構造を譲渡担保と考える立場の考え方
(3) 山本意見書の3つの要件を実務へ当てはめる際の留意点
(4) 真正売買議論と更生担保権化の要件の関係は?
(5) 伊藤論文の意義と「再構成」手法の考え方
(6) 「真正売買」の視点は不要となったのか?
(7) 本件の「和解」の検証・推定と実務への影響
(8) いわゆる「5パーセントルール」との関係はどうなるのか
4. まとめ
(1) 法律意見書の考え方
@ 当事者間でどのように位置付けるべきか、扱われるべきか
A 法律意見書の読み方の「イロハ」
(2) リース取引に関する最高裁判決の射程とセール&リース・バック取引
(3) 「要件化」と「当てはめ」・・・要件と予見可能性
(4) 「不動産の適正価格売却と否認権」の議論との関係
(5) 不動産処理促進という政策目標との法的構成のジレンマ
(6) 「再構成」とは何か
(7) 「セキュリティ・エンタイトルメント」の視点の必要性
(8) アレンジャ−等の当事者のコンプライアンス上の留意点

■価格 33,200円(税込み・送料当社負担)
■約180分(全1巻)■参考資料付き
■申込方法 申込書に入力後ご送信下さい。お振り込み確認後、商品をお送り致します。
■払込口座 三菱東京UFJ銀行 八重洲通支店 (普通)0602180 
(株)経営調査研究会

※本ビデオは2003年3月28日(金)14:00〜17:00に行われたセミナーを収録したものです。

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