取締役会の実効性評価と今後の取締役会のあり方

〜取締役会実効性評価をアンケート方式で
行う場合のサンプルも踏まえつつ〜


日時: 平成29年3月15日(水)午後2時00分〜午後5時00分
会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム
(東京都中央区日本橋茅場町1-10-8)
受講費: 34,700円(お二人目から29,000円)
(消費税、参考資料を含む)

講師 森本大介(もりもとだいすけ)氏
西村あさひ法律事務所
パートナー 弁護士・ニューヨーク州弁護士

 コーポレートガバナンス・コードの補充原則4-11(3)では、「取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示すべきである。」として、取締役会の実効性評価を実施することが求められているが、同原則は、コーポレートガバナンス・コードにおけるエクスプレイン率が高い項目の一つであり、どのようなかたちで取締役会評価を実施していくかは悩ましい問題である。
 もっとも、取締役会評価には、取締役会全体が適切に機能しているかを定期的に検証し、その結果を踏まえ、問題点の改善や強みの強化等の適切な措置を講じていくという継続的なプロセスにより、取締役会全体の機能向上を図る、という重要な目的があり、また、評価の結果の概要を開示することで、投資家をはじめとしたステークホルダーの信認を獲得し、自社に対する支持基盤の強化につながることが期待されている。
 そこで、本セミナーでは、取締役会評価の前提として、実効的な取締役会について考えるとともに、取締役会評価をアンケート方式で行う場合のスケジュール及びアンケートの内容につき、概観する。



1. 取締役会の実効性評価を巡る議論と取締役会の
実効性評価の必要性

(1) 取締役会の実効性評価を巡る議論
(2) 取締役会の実効性評価の必要性とコーポレートガバナンス・コードにおける規定

2. 取締役会の実効性評価の前提としての取締役及び
取締役会の役割

(1) 取締役と取締役会の役割
(2) 取締役の善管注意義務と経営判断の原則
(3) 取締役の監視・監督義務と信頼の原則
(4) 取締役の内部統制システム構築義務
(5) グループ会社管理に関する取締役の責任

3. 取締役・取締役会の活動に対する監査役等及び
監査役会等の役割

(1) 監査役等の義務と権限
(2) 内部通報等の受け手としての監査役等の役割

4. 実効的な取締役会運営のための視点
(1) 取締役会の構成
(2) 取締役会の運営
(3) 社外役員に対する情報提供
(4) 取締役会規則等の諸規則の整備
(5) 任意の指名・報酬委員会の設置等

5. コーポレートガバナンス・報告書における
取締役会評価の実例

6. 取締役会評価の具体的な方法

(1) アンケート方式
(2) 外部業者への委託方式

7. 取締役会評価のアウトプットとその活用

(1) 取締役会評価結果の開示
(2) 取締役会評価結果の社内での活用
(3) 取締役会評価結果を踏まえた監査役等の果たすべき役割

8. 質疑応答



【講師略歴】
1999年司法試験合格、2000年東京大学法学部第T類卒業、2001年第一東京弁護士会入会・西村総合法律事務所(現西村あさひ法律事務所)入所。2005年九州大学ビジネススクール客員助教授。2007年ノースウエスタン大学ロースクール卒業(LL.M.)。2008年ニューヨーク州弁護士登録。2007年〜2008年Kirkland & Ellis LLPにて研修。2011年西村あさひ法律事務所パートナーに就任。
国内外のM&Aや提携案件、FCPAをはじめとするクロスボーダーの危機管理案件を中心に、会社法などビジネスロー全般にわたる各社へのアドバイスに従事。

【主な論文等】

「契約締結時から将来の解消リスク等の勘案を〜業務提携のリーガルチェック」(共著、旬刊経理情報12年5月10日・20日合併号、12年)、「海外事業展開に関するコンプライアンス」(Business Law Journal 12年7月号、12年)、「提携前に行う法務デューデリジェンスのポイント - 資本・業務提携を中心に」(Business Law Journal 12年12月号、12年)、「グループ管理規程見直しのポイント - 会社法改正を見据えて -」(共著、ビジネス法務13年2月号、12年)、「親子会社間の利益相反取引と子会社少数株主の保護」(ジュリスト増刊『実務に効く コーポレート・ガバナンス判例精選』、有斐閣、13年12月、13年)、「株式等売渡請求を利用したキャッシュ・アウト制度の新設」(ビジネス法務14年11月号、14年)、「進捗状況に応じて変わる M&A交渉が破談・撤回となったときの実務対応」(旬刊経理情報14年12月10日号、14年)、「場面別に見る 贈賄リスク対応(上)(下)」(ビジネス法務15年3月号・4月号、15年)、「〜導入事例を踏まえてポイントを整理〜監査等委員会設置会社への移行はこうする」(共著、旬刊経理情報2015年8月10日号、15年)、「自社株公開買付けと他社株公開買付けの価格差組合せ取引の検討 - 増進会出版社による栄光ホールディングスの完全子会社化事例を踏まえて - 」(共著、旬刊商事法務2015年9月5日号、15年)、「ラテンアメリカ進出法務の基礎(1)(2)(3)」(共著、NBL 2015年9月15日号・10月15日号・11月15日号、15年)、「参考になるひな型を収録 自己評価アンケートを活用した「取締役会評価」実施のポイント」(共著、旬刊経理情報2015年12月1日号、15年)、「ペルーにおける主な法人形態」(商事法務2016年2月号、16年)、『危機管理法大全』(共著、商事法務、16年3月)、『秘密保持契約の実務』(共著、中央経済社、16年3月)、『実務に効く 企業犯罪とコンプライアンス判例精選』(共著、有斐閣、16年5月)、「贈賄防止規程例と策定上のポイント」(ビジネス法務16年8月号、16年)、『資本・業務提携の実務<第2版>』(共著、中央経済社、16年10月)他。


※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。
主催 経営調査研究会
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