「国際仲裁入門」セミナーに参加して

2017/10/09
2017/10/09

演題:国際仲裁入門

法務担当者・契約交渉担当者が理解しておくべき仲裁機関・仲裁地についての基礎知識-

講師:多田 慎 氏(弁護士法人大江橋法律事務所 弁護士・ニューヨーク州弁護士)

日時:平成29929日(金) 13:3016:30

近時の国際取引では、一般に訴訟よりも仲裁がポピュラーな仲裁手段となってきており、日本企業も国際仲裁の当事者となる例が増えてきました。しかし、国際仲裁は訴訟と異なり、我々の生活に身近なものではないため、訴訟との違いなど想像がつきにくい点があるのも事実です。今回は、企業の法務・契約交渉担当者が理解するべき仲裁の制度や動向などの基礎知識について、数々の仲裁事件の代理人のほか国際仲裁裁判所事務局での勤務のご経験もある、大江橋法律事務所弁護士の多田慎先生にご講演頂きました。

まず、国際仲裁の近時の動向について、ほとんどの企業・投資家が国際紛争の解決手段として国際仲裁を望んでいること、国際仲裁のメリット・デメリット、仲裁手続の費用や時間といった点を中心に説明して頂きました。国際仲裁は執行力がある上に、訴訟と異なり特定国の裁判所による拘束がないため公平性が担保されやすいこと、手続に柔軟性があることなどをお聞きし、仲裁に対するイメージや仲裁が選ばれる理由などを掴むことができました。

続いて、仲裁条項や仲裁機関について解説して頂き、仲裁に付託する紛争の範囲や仲裁地、仲裁機関や準拠する手続規則について予め契約書で合意する必要性や、その留意事項などを詳しく教えて頂きました。特に重要なのは仲裁機関の選択で、仲裁機関によって仲裁規則や仲裁実績、費用などがまるで違うということがよく分かりました。この点、訴訟とは概念が全く異なるということを強く認識させられました。

また、もう一つの重要な合意項目である仲裁地を選ぶにあたり判断材料となる、アジア各国の仲裁法制についても解説して頂きました。法制度の目の付け所や注意点について説明して頂いた上で、現在アジアで主要な仲裁地となっているシンガポールや香港の法制度を中心に解説して頂きました。国によって仲裁法制にも違いや独自性が結構あることが分かり、しっかりとメリット・デメリットを把握する必要があると思いました。

最後に、ケーススタディで仲裁条項の落とし穴や留意点をさらに深掘りして頂き、実務上の留意点をしっかりと身に付けることができました。

今回のセミナーを聴講するまで、仲裁についての知識は全くといっていいほど無かったのですが、先生の明快かつ的確な解説のお陰で、訴訟とは全く違う制度であるということしっかりと把握することができました。取引実務上の紛争解決の現状・手段について新たな視点を得ることのできたセミナーでした。



法学部3年 インターン 

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