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DCF(割引キャシュフロー)法による
貸出し債権の評価と信用リスク管理

講師  慶應義塾大学 総合政策学部 教授   森平爽一郎

信用リスクの評価にあたり、倒産確率にもとづく内部格付システムを用いる方向から、将来キャシュフローの現在価値を求める割引キャシュフロー法(DCF法)に移行しつつある。またDCF法は不良債権の流動化(競売入札、RCC、産業再生機構への譲渡、証券化など)にあたって必須の方法である。
このセミナーでは、DCF法の基本的な考えかた、そのいろいろな方法の相対的な比較、理論的に最も正しい方法、実務上の制約を考えた方法、シナリオ分析法の問題点、などについて内外における多くの先行研究成果をもとに、日本の現状に即した形で説明する。
なお、説明はいわゆるクオンツのみを対象にするのでなく、銀行やリース会社で融資・審査の決定を実際に行っている人、不良債権の買取や流動化に携わる人、信用リスクをとった債券投資を行っている人たちを念頭において講義を行うようにつとめる。説明に当たって必要な算数は高校卒業程度にとどめる。

◎ DCF法の基本的な考え方:入門と歴史的な展望
・信用リスクの無い証券の評価方法
債券:クーポン評価モデル
株式:配当還元モデル
不動産:収益還元利回り
・DCF法の理論的基礎:考え方
期待効用最大化問題
消費CAPMと等価なDCF法
・RADR:リスク調整済み割引率法とCE:確実性等価法
・企業を評価するのか、貸出し債権を評価するのか。どうすべき?
◎ 信用リスクのある貸し出しの評価方法
:伝統的方法と新しい方法
・伝統的方法
シナリオ分析にもとづくDCF法の利点と問題点
1期間倒産確率にもとづくDCF法の利点と問題点
・新しい方法
フォワード倒産確率、累積倒産確率、
LGD(倒産時損失)の概念
新しい評価方法の概略;簡便法と数値計算
DCFと割引率信用リスクを考慮した収益率の計算
◎ 倒産確率の推定方法
・実倒産確率とリスク中立確率:混同しない!
・将来一時点の倒産確率推定方法:
財務データの統計的処理方法
株価から推定する方法
・倒産確率の期間構造推定:
生存分析の応用と実際
債券市場価格からインプライドに推定する方法
・担保が不動産であるときの倒産確率
◎ 担保回収率の不確実とその見積もり
・回収率の推定方法
・回収率と倒産確率の同時推定
◎ 割引率の考え方とその推定方法
・「約定利子率で割引く」とは何を意味するのか? 理論的な問題点
・「実効利子率で割引く」とは何を意味するのか? 理論的な問題点
・資本コストとはなにか
負債資本コスト
株式資本コスト
加重平均コスト
・信用リスク・価格変動リスク回避度をどう織り込むか
◎ 信用リスクが倒産・非倒産でなく、多状態を取るときの処理方法
・格付(信用状態)推移確率の推定;マルコフ行列の推定
・格付推移確率の期間構造
・格付推移行列に基づくDCF法
◎ 金利の期間構想の考え方と推定方法
・金利期間構造の考え方
・格付と債券価格データから倒産確率の期間構造を推定する
◎ モンテカルロ・シミュレーションの考え方
・モンテカルロ法の基礎
・モンテカルロ法による不良債権評価の理論と実際
・「クリスタルボール」あるいは「@RISK」を用いた実例
◎ パラメータの不確実性:倒産確率と回収率そのものが不確実なときの処理
◎ 不良債権のリスク指標

・信用リスクのあるときの金利不確実性の指標
:デュレーション
・倒産確率感応度
・回収率感応度
◎ 不良債権のポートフォリオ分析
・ポートフォリオのレベルでの評価
:個々のリスクは全体のリスクでないこと
 
■価格 36,000円(税込み・送料当社負担)
■約240分(全2巻)■参考資料付き
■申込方法 申込書に入力後、ご送信下さい。お振り込み確認後、商品をお送り致します。
■払込口座 三菱東京UFJ銀行 八重洲通支店 (普通)0602180 
(株)経営調査研究会

※本ビデオは2003年3月27日(木)13:00〜17:00に行われたセミナーを収録したものです。

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