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日本コーリン事件に学ぶ:事業再生・証券化担当者のための
「100%減資+営業譲渡を含む民事再生計画」の取消と
事業再生のコンプライアンス

講師  田中幸弘
新潟大学大学院実務法学研究科(法科大学院)教授


企業統合、企業グループの合従連衡の動きは加速され、メガバンクの統合問題がノンバンク等への影響も含めて大きな注目を浴びることになっているが、事業会社についての事業再生の方が金融グループの統合よりは迅速に対応がとられてきた分、その「迅速さ」故の問題性が顕在化してきている。この点についての東京高裁が注目すべき決定を出したことは事業再生の実務担当者の間では既に共有されているだろう。それが日本コーリンをめぐる民事再生手続きに関する計画の取り消し決定である。
既に各方面で報道されている通り、日本コーリンの旧経営陣や株主から提起されていた民事再生法に基づく計画の取り消しを求める裁判で、東京高裁はその計画を取り消す決定をだした。その取り消しにより東京地裁に差し戻された主な理由は、民事再生法の申請の前提となった日本コーリンの財務状況を債務超過と判断したことであり、安易な「実質的債務超過」手法に警鐘を鳴らした点で、かかる決定を、東京高裁が行なった意味は事業再生担当者にとっては非常に大きなものである。今後事業再生に携わる担当者にとっては、今回の高裁決定を無視して安易な業務運営を行うことはコンプライアンスの観点からも問題があるということになろう。また、いわゆる「日本版DIPファイナンス」手法についてもあまりに安易な手法については、同様の観点から司法の場で問題となりうる可能性もある点についても留意する必要があるであろう。
本セミナーでは、今回の日本コーリン事件の経過をたどり、事業再生における営業譲渡をアレンジする金融機関も含めた関係当事者のコンプライアンスの観点も踏まえ、事業再生実務に与える影響を検討するとともに本件の特殊要因である「知的財産権の民事再生手続きにおける評価と債務超過」の問題についても検討することにしたい。

1.はじめに

2.事実の経過

(1)何があったのか
(2)何が争われたのか
(3)なぜ「債務超過」が問題とされなければならなかったのか

3.東京高等裁判所による取り消し決定

(1)何が取り消されたのか
(2)結局どうなったのか
(3)破産手続きに移行すれば民事再生当事者は安心できるのか
(4)民事再生当事者にコンプライアンスは無縁なのか

4.安易な「実質的債務超過」評価と倒産法上の刑罰規定

(1)「実質的債務超過」観はなぜ覆されたのか
(2)倒産法上どのような流れが考えられたのか
(3)関係当事者が倒産刑法上問題とされる可能性はあるのか

5.知的財産権と資産評価
(1)知的財産権は倒産法上どう評価されるのか、評価されるべきなのか
(2)裁判所はどう考えたのか、それはなぜか
(3)本件は民事再生ビジネスでは特殊だったのか

6.ビジネス法務への影響を考える

(1)民事再生ビジネスとコンプライアンス
(2)金融機関の民事再生担当者は何を本件から学ぶべきか
(3)現行の倒産法に問題はあるのか
  改正破産法等との関係
(4)「日本版DIPファイナンス」の当事者は何を学ぶべきか

7.最後に  他の分野の当事者への影響
(1)民事再生ビジネスは今後どう評価されるか
(2)民事再生ビジネスとリンクする可能性のある証券化担当者はどう考えるべきか
(3)会計上の「債務超過」と倒産法上の「債務超過」
(4)コンプライアンス担当者はどう考えなければならないのか

■価格 33,000円(税込み・送料当社負担)
■約180分(全1巻)■参考資料付き
■申込方法 申込書に入力後、ご送信下さい。お振り込み確認後、商品をお送り致します。
■払込口座 三菱東京UFJ銀行 八重洲通支店 (普通)0602180 
(株)経営調査研究会

※本ビデオは2005年2月25日(金)13:30〜16:30に行われたセミナーを収録したものです。

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