土地の有効活用のための借地関係
解消方策と借地権・底地の評価実務

日時: 2019年4月18日(木)午後1時30分〜午後5時00分
会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム
(東京都中央区日本橋茅場町1-10-8)
受講費: 34,500円(お二人目から29,000円)
(消費税、参考資料を含む)

講師 島田博文(しまだひろふみ)氏
一般財団法人日本不動産研究所
審査部 次長 不動産鑑定士

 旧借地法の借地権は戦前・戦後の混乱期に設定されたものが多く、旧借地法等の保護により長期安定的な土地利用ができます。このような借地権の特徴は、地代が新規地代と比較して低廉であり、借地を継続するコストが安く土地の有効利用がなされず低利用のままで推移しています。また、借地権は借地法の改正等により賃借権の物権化がなされると同時に、都心では土地の完全所有権価格と比較して、高額な借地権価格で取引される慣行が成熟しています。
 地主から借地関係を解消するための法的請求は、主に借地期間満了時に正当事由がある場合に限られますが、正当事由が肯定されることは少なく、仮に肯定される場合は借地権価格に相当する立退料の支払いが一般的です。このため地主からの借地関係の解消方策は、法的請求を考えるのではなく、借地権または底地の売買、等価交換等の方法によるのが一般的であり、借地権または底地を評価して、当事者が納得のいく金銭的解決等が図られます。
 本セミナーでは、まず、何故、借地関係の解消が難しいのか、を理解するために借地関係解消に係る法的請求が可能な状況(更新拒絶、朽廃、債務不履行、賃借人の破産等)を整理し、次に当事者間の任意交渉による解消方策を説明します。最後に、借地権価格、底地価格及び更地価格の関係を整理し、借地関係解消方策の状況別に借地権・底地の評価実務について具体例を交えて解説をします。最終的には受講者の皆様の借地関係の解消の進め方についても説明をします。

T.何故、借地関係の解消が難しいのか
1.旧借地法(借地借家法を含む)の概要と過去の改正経緯等
2.借地関係解消に係る法的請求が可能な場面とは
3.当事者間で借地関係の解消が可能な状況とその方策

U.借地権価格、底地価格及び更地価格の関係
1.借地権価格及び底地価格を形成する考え方とは
2.借地権価格、底地価格及び更地価格の関係と借地関係解消のメリット
3.借地権の第三者売却と地主売却のそれぞれの売却価格の違い
4.底地の第三者売却と借地人売却のそれぞれの売却価格の違い

V. 借地関係解消方策毎による借地権・底地の評価
1.借地人が地主に借地権を売却する場合
2.地主が借地人に底地を売却する場合
3.借地権と底地を同時売却し、売買代金を分割する場合
4.借地権と底地を等価交換し、敷地を交換割合で分割する場合
5.借地権関係解消方策の想定計算例
6.借地関係解消方策とメリット・デメリット
7.借地関係解消の進め方

W.質疑応答

【講師紹介】
平成2年に入社し、現業部門のほか研究部、審査部を経験。数多くの鑑定評価を経験のほか、法定再開発、固定資産税のシステム評価などを行い、また、数多くの鑑定評価等を審査している。平成18年から平成28年まで賃料評価チームチーフとして、継続賃料や立退料の訴訟関連の評価等を数多く担当。また、神奈川大学法学部非常勤講師(科目:不動産法実務、鑑定評価理論)、公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会実務修習講師、同連合会鑑定評価基準委員会委員、不動産鑑定士第3次試験試験委員、不動産鑑定士試験短答式試験委員などを歴任。借地借家の分野に係る鑑定評価等に精通している。
【主な著書】
「賃料評価の実務」(清文社)、「不動産鑑定評価の新しい潮流」(住宅新報社)、「不動産評価の実務」(中央経済社)、「不動産鑑定訴訟法II」(青林書院)、「平成21年不動産鑑定行政法規の知識」(住宅新報社)、「不動産マネジメント入門」(東洋経済新報社)、「重要事項説明書・書き方のポイント〔8訂版〕」(住宅新報社)
(いずれも共著)などがある。

※録音・ビデオ撮影はご遠慮下さい。
主催 金融財務研究会
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