鳥インフルエンザ

2013/04/04
2013/04/04

鳥インフルエンザ。

中国で感染者が死亡したことが日本でも大体的に伝えられ、中国に限らず東南アジア各地で感染者が見つかっていることから当該地域に社員を駐在させている、子会社がある企業も目が話せないニュースになっているのではないでしょうか?

世間を騒がせてきている鳥インフルエンザですが、実は90年以降毎年感染者が報告されています。
近年では、2004年ごろに大流行し、致死率が約70~80%までになった時期もあり、世界がパニックになっていたことを覚えている人も多いのではないでしょうか?
世界中で約1億羽の鶏が淘汰されたことが当時では話題でした。
このときは日本国内でもH5N1型の鳥インフルエンザが検出されましたね。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/01/h0112-1.html#betsu
もう少し遡ると1997年に香港でH5N1型による死者が確認された時は香港政府が直ちに香港全域の鶏を淘汰したことで、爆発的な流行を回避することができました。

2005年以降もH5N1型の鳥インフルエンザは東南アジアをはじめ、中東、欧州でも感染が報告され、終焉はできていません。

2013/3/12時点

Country 2003-2009(*) 2010 2011 2012 2013 Total
患者数 死亡 患者数 死亡 患者数 死亡 患者数 死亡 患者数 死亡 患者数 死亡 死亡率
アゼルバイジャン 8 5 0 0 0 0 0 0 0 0 8 5 62.5%
バングラディシュ 1 0 0 0 2 0 3 0 0 0 6 0 0.0%
カンボジア 9 7 1 1 8 8 3 3 9 8 30 27 90.0%
中国 38 25 2 1 1 1 2 1 2 2 45 30 66.7%
ジプチ 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0.0%
エジプト 90 27 29 13 39 15 11 5 1 1 170 61 35.9%
インドネシア 162 134 9 7 12 10 9 9 0 0 192 160 83.3%
イラク 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2 66.7%
ラオス 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 100.0%
ミャンマー 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0.0%
ナイジェリア 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 100.0%
パキスタン 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1 33.3%
タイ 25 17 0 0 0 0 0 0 0 0 25 17 68.0%
トルコ 12 4 0 0 0 0 0 0 0 0 12 4 33.3%
ベトナム 112 57 7 2 0 0 4 2 0 0 123 61 49.6%
合計 468 282 48 24 62 34 32 20 12 11 622 371 59.6%
60% 50% 55% 63% 92% 60%

こちらはWHOが公表したH5N1型の近年の感染を表した図。
しかし、確認が取れた事例のみなので、実際はもっと感染者がいることが確実視されています。

そもそも鳥インフルエンザとはA型のインフルエンザが鳥類に感染して起きる鳥類の感染症です。
このうち現在世界の養鶏産業の脅威となっているのは非常に高い病原性(感染させやすいということです!)を持つ高病原性鳥インフルエンザと呼ばれるもので、このうち東南アジアを中心に流行中のH5N1亜型ウィルスではすでに家禽と接触したヒトに感染しているケースが報告されていました。

元々鳥インフルエンザはヒトへは感染しないのですが、インフルエンザウィルスは頻繁に遺伝子の変異が起こる特性を持ち、ヒト、鳥、豚などの体内で変異したり、異なるインフルエンザウィルス同士が混ざり合うことでヒトにも感染する鳥インフルエンザウィルスに変わってしまうのです。

実際に、2009年にメキシコで発生し世界中で流行したH1N1インフルエンザインフルエンザはタミフルへの耐性がなかったこと、強毒性に変異しなかったことから早々と1年4カ月後にWHOが爆発的流行の終焉を宣言したのですが、のちの東京大学医学部の研究によって、これが高病原性鳥インフルエンザのH5N1型と簡単に遺伝子交雑し、毒性の強い新たなウィルスを作りだすことが判明しました。

最近ニュースにあがる鳥インフルエンザによる死亡事例のほとんどがこのH5N1型の鳥インフルエンザによるものです。
WHOでは数年前からこの鳥インフルエンザの爆発的流行を警戒して途上国を中心に対策を進めてきました。

ところが!!3月末にショッキングな出来事が!

3月末、4月初めに中国本土で死亡事例が起こった鳥インフルエンザがH7N9型だったのです。
これは今までにヒトへの感染が報告されたことはないものでした。
H7グループ自体は過去にオランダ、イギリス、アメリカ、カナダ等でヒトへの感染が報告されたケースがありますが、H7N9型のヒトへの感染は世界初。(こんなことでの世界初は不名誉以外の何物でもありませんが・・・)

感染経路も依然として判明しておらず、野鳥から鶏を通して人間に感染していると推測されています。
日本の国立感染症研究所は当初、本来H7型のウィルスは毒性があまり強くないものの、免疫のあるヒトが少ないことから重症化するのではないかとの見方を示していましたが、
現在、専門家によると、発症すると重症化する強毒性を持ち、変異してヒトからヒトへの感染もありうる型になるのではないかという見方が広まり、パンデミック(爆発的な流行)が懸念されています。

初ヒトへの感染が確認されたH7N9型に限らず、中国ではH5N1型の鳥インフルエンザも相次いで確認され、世界の家禽の実に5分の1を飼育していることも大きな懸念材料です。

また今回このH7N9型での死亡事例が上海で起こっているということもあり、ビジネスへの影響を心配している企業も多いかと思います。
現在、WHOが中国当局の協力して、厳戒態勢に当たり、アメリカのCDC(疾病対策センター)では遺伝子の配列が分かり次第、ワクチンの製造に入れる準備態勢に入っています。
一刻も早くおさまってほしいですね。

最後にこのブログでも多用しました○○型という表現ですが、
ヒトはA~C型のインフルエンザにかかるとされ、鳥インフルエンザはA型のみです。
A型のうち、ヒトは(H1~3)×(N1,2)を発症し、鳥は(H1~16)×(N1~9)を発症するとされています。

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